summer of 85

絶賛公開中
2020 カンヌカンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション 第15回ローマ国際映画祭 観客賞受賞 第45回セザール賞 仏アカデミー賞 11部門12ノミネート
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INTRODUCTION

フランソワ・オゾン、
映画製作の原点となった小説を映画化
運命の出会いと永遠の別れ、
狂おしくも切ない初恋に溺れたあの夏─
少年同士の瑞々しい刹那の恋に魂が震える、
最高純度のラブストーリー

世界三大映画祭の常連にして、世界中から新作を待ち望まれているフランス映画界の巨匠フランソワ・オゾン。監督最新作は、自身が17歳の時に出会い深く影響を受けたエイダン・チェンバーズの小説「Dance on my Grave」(おれの墓で踊れ/徳間書店)の映画化。描かれるのは、運命的な出会いを果たした美しき少年たちの、初めての恋と永遠の別れ。原作小説に感銘を受けた自身の10代当時の感情を投影しながら、少年たちの忘れられないひと夏の恋物語を鮮やかに映し出す。これまでにオゾンが描いてきた過激な恋愛描写は封印し、爽やかで瑞々しい極上のラブストーリーが誕生した。

1985年夏のフランス、進路に悩む16歳の少年アレックスは、自然体で飄々とした18歳のダヴィドと出会い惹かれ合う。忘れられないひと夏を共にする2人の少年を演じるのは、いずれもオゾン自らオーディションで見出した注目の若手俳優。主人公のアレックス役を務めるのは、フェリックス・ルフェーヴル。あどけなさの残る顔立ちで、初めての恋の喜びと痛みに翻弄される16歳の少年を感情豊かに熱演している。アレックスと恋に落ちるダヴィド役には、バンジャマン・ヴォワザン。アレックスに愛を注ぎながらも、自由奔放でどこか生き急いでいるような、危うい18歳を繊細に演じ切った。二人は撮影前から意気投合し、劇中でも息の合った演技を披露している。

色鮮やかでノスタルジックな映像美と、80年代ヒットソングの数々で彩られた、少年たちの美しくも儚い夏のひと時。狂おしいほどに互いを想う彼らの姿を、思春期の初恋の形として描き出した本作は、世界の名だたる映画祭で高い評価を獲得。第73回カンヌ国際映画祭でオフィシャルセレクションに選出、第15回ローマ国際映画祭で観客賞を受賞、第46回セザール賞では作品賞や監督賞など11部門12ノミネートされ、多くの映画人や観客を魅了している。予告なしに始まる胸の高鳴り、とめどなく溢れ出す愛おしさ、その存在が世界のすべてになるほど深く誰かを想う、生まれて初めての経験。愛する喜びと苦しさに身を焦がす少年たちの姿が、誰の心にも甘く切ない初恋の衝動を呼び起こす。

STORY

1985年夏、フランス・ノルマンディーの海辺
アレックスとダヴィドが出会い、
永遠に別れるまでの6週間
恋する喜びと痛みを知った少年が
守ろうとした、あの夏の誓い─

セーリングを楽しもうとヨットで一人沖に出た16歳のアレックスは、突然の嵐に見舞われ転覆してしまう。そんな彼に手を差し伸べたのは、ヨットで近くを通りかかった18歳のダヴィド。運命の出会いを果たした二人だが、その6週間後に、ダヴィドは交通事故で命を落としてしまう。

永遠の別れが訪れることなど知る由もない二人は急速に惹かれ合い、友情を超えやがて恋愛感情で結ばれるようになる。アレックスにとってはこれが初めての恋だった。互いに深く想い合う中、ダヴィドの提案によって「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てる二人。しかし、一人の女性の出現を機に、恋焦がれた日々は突如終わりを迎える。嫉妬に狂うアレックスとは対照的に、その愛情の重さにうんざりするダヴィド。二人の気持ちはすれ違ったまま、追い打ちをかけるように事故が発生し、ダヴィドは帰らぬ人となってしまう。悲しみと絶望に暮れ、生きる希望を失ったアレックスを突き動かしたのは、ダヴィドとあの夜に交わした誓いだった─。

STAFF

監督 / 脚本フランソワ・オゾン

1967年生まれ。短編『サマードレス』(96)や 長編第一作『ホームドラマ』(98)が国際映画祭で評判を呼び、『焼け石に水』(00)でベルリン国際映画祭テディ賞を受賞。以降、ベルリン、カンヌ、ヴェネチアの世界三大映画祭の常連となる。『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』(18)は、第69回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞。本作では、第46回セザール賞で監督賞にノミネートされる。その他の監督作に、『8人の女たち』(02)、『スイミング・プール』(03)、『ぼくを葬る(おくる)』(05)、『しあわせの雨傘』(10)、『危険なプロット』(12)、『彼は秘密の女ともだち』(14)、『2重螺旋の恋人』(17)などがある。

原作エイダン・チェンバーズ

1934年生まれ。15歳から文章を書き始め、教師として英文学と演劇を教えながら、60年代に僧院の僧としても活動。1970年には夫妻で出版社を興し児童書の書評誌の出版を始め、現在も各国の優れた児童書をイギリスに紹介している。主な著書は、本作の原作小説「おれの墓で踊れ」(徳間書店)、「ブレイクタイム」(未訳)、「ザ・トール・ブリッジ」(未訳)など。寡作ながら質の高い作品を送り出す作家として注目を集め、「二つの旅の終わりに」(徳間書店)でカーネギー賞を、2002年には国際アンデルセン賞を受賞している。

音楽ジャン=ブノワ・ダンケル

1969年生まれ。ニコラ・ゴダンと結成したエレクトロ・デュオ「エール」の活動で世界的人気を博す。これまでに「エール」名義で『ヴァージン・スーサイズ』(99)、ソロ名義で『21世紀の資本』(19)などの映画音楽も手掛けている。本作では、オゾンの熱望により音楽担当に抜擢された。

CAST

フェリックス・ルフェーヴル(アレックス)

進路に悩む16歳のシャイな高校生。ダヴィドと運命的な出会いを果たし、ひと夏の間に、初めての恋と永遠の別れを経験することになる。

1999年生まれ。本作のオーディションでオゾンに「彼こそアレックスだ」と言わしめ、主役に大抜擢された期待の新星。人生を揺るがすほどの初恋に喜び悶え苦しむ純真な少年を、全身全霊で演じている。その演技が高く評価され、ダヴィド役のバンジャマンと共に、第46回セザール賞では有望若手男優賞にノミネート。その他出演作は、TVドラマシリーズ「ル・シャレー 離された13人」(18/Netflix)、『スクールズ・アウト』(18)など。

バンジャマン・ヴォワザン(ダヴィド)

母親が切り盛りする船具店で働く18歳。アレックスとは対照的に、アグレッシブで刹那的な生き方をしている。彼とは深い愛情で結ばれるも、不慮の事故で命を落としてしまう。

1996年生まれ。俳優だけでなく脚本家としても活動する若手注目株。当初アレックス役としてオーディションを受けるも、オゾンによってダヴィド役に抜擢される。劇中では人の心をかき乱すダヴィドを自然体で好演し、アレックス役のフェリックスと抜群のコンビネーションを披露。主な出演作に、『ホテル・ファデットへようこそ』(17)、『さすらいの人 オスカー・ワイルド』(18)など。今後の主演待機作に、グザヴィエ・ジャノリ監督の『Comédie humaine』(21)がある。

ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ(ゴーマン夫人)

夫が残した船具店を営むダヴィドの母。息子の“親友”アレックスを気に入り、可愛がっている。

1964年生まれ。数々の話題作に出演し、名だたる映画賞を受賞している演技派女優。本作で第46回セザール賞助演女優賞にノミネート。フランソワ・オゾン監督作品には、『ふたりの5つの分かれ路』(04)、『ぼくを葬る(おくる)』(05)に出演し、本作で3作目となる。その他出演作は、『おせっかいな天使』(93)、『華麗なるアリバイ』(07)、『サンローラン(14)』『歓びのトスカーナ』(17)など。

イザベル・ナンティ(ロバン夫人)

家庭を守るアレックスの母。ダヴィドと出会い次第に変わっていく息子を、心配そうに見守っている。

1962年生まれ。『ダニエルばあちゃん』(90)、『アメリ』(01)、『巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)』(03)でセザール賞に3度ノミネート。女優だけでなく、脚本家、舞台監督として活躍する。主な出演作に、『プレイヤー』(12)、『ママはレスリング・クイーン』(13)、『MISS ミス・フランスになりたい!』(20)など。

フィリッピーヌ・ヴェルジュ(ケイト)

アレックスが海辺で知り合う21歳の女性。明るく親しみやすい性格だが、やがてアレックスとダヴィドの関係に亀裂が生じるきっかけとなってしまう。

ベルギーとイギリスにルーツを持つ若手女優。主な出演作に、TVドラマ「ドクターズ」(19)、TVドラマシリーズ「Station Eleven」(21)など。

メルヴィル・プポー(ルフェーヴル先生)

アレックスの進路指導の先生。悩める彼をサポートすべく優しく寄り添う。

1973年生まれ。主な出演作に、『15才の少女』(89)、『おせっかいな天使』(93)、『夏物語』(96)、『ル・ディヴォース パリに恋して』(03)、『ブロークン・イングリッシュ』(07)など。フランソワ・オゾン監督作品は『ぼくを葬る(おくる)』(05)、『ムースの隠遁』(09)、『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』(18)に続き、本作が4作目の出演となる。

PRODUCTION NOTE

  1. 巨匠フランソワ・オゾンに
    多大な影響を与えた原作小説

    原作は、当時17歳のオゾンに衝撃を与え「いつか長編映画を監督する日がきたら、その第一作目はこの小説だ」と決意させたエイダン・チェンバーズ著「Dance on my Grave」(おれの墓で踊れ/徳間書店)。オゾン自身が「知らず知らずのうちに小説のテーマを映画に取り入れていた」と振り返り、これまでの監督作にも影響を与えた重要な作品であることを明かしている。念願の映画化においては、惹かれ合う少年たちの恋愛模様をストレートに描き、原作を読んだ自身の10代当時の感情を表現することを重視した。「この小説をどう映像で語るか、私にはじっくり熟成させる時間が必要だった。そのおかげで、原作の本質から逸脱しないで済んだよ」と、満を持して完成した映画であることを語っている。
    当初から映画化を望んでいた原作者のチェンバーズは、完成した映画を鑑賞し「オゾンが僕の夢を叶えてくれた。彼の作品の中で一番いいね」と絶賛。「オゾンが小説の真髄に沿ってくれたことが嬉しかった。変更は小説を踏まえたものもあって、何なら小説よりよくなっているものもあったほどだよ」とその手腕を評価している。

  2. 映画の存続をかけて取り組んだ
    2人の少年のキャスティング

    オゾンが特にこだわり抜いたのが、物語の中心となる2人の少年役。適役が見つからなければ映画化自体を取りやめようとしていたほどで、脚本が完成する前からキャスティングが進められた。主人公アレックス役のオーディションでは、フェリックス・ルフェーヴルを一目見るなり「彼こそアレックスだ」と直感。「童顔で笑顔も子供のように愛くるしくて、生命感に溢れている。それでいて目にはどこか哀愁があり、80年代人気だったリヴァー・フェニックスの雰囲気がある」と絶賛し、新人俳優ながら主役に抜擢した。相手役のダヴィドを務めるバンジャマン・ヴォワザンは、当初アレックス役でオーディションに参加。「どことなくおどおどしたアレックスが羊なら、ダヴィドは野生動物のイメージだ。アレックスの視点からすると、バンジャマンこそダヴィドだと感じた」として、あらためてダヴィド役での起用となった。「最初のスクリーンテストから、フェリックスとバンジャマンの間には通じるものが確かにあった。活き活きとしていたんだ。よほど相性がよかったんだろうね」とオゾンが語るように、劇中では、友情から深い恋愛へと変化していく2人のリアルな演技を見ることができる。

  3. THE CUREにロッド・スチュワート、
    映画を彩る往年のヒットソング

    本作では、印象的な場面で世界的ヒットソングが使用されている。オープニングで流れるのは、THE CUREの代表曲「In Between Days」。オゾンは本楽曲を「積極的に人生を切り拓こうとしてダークサイドも知ることになる、主人公アレックスに合っている」として、THE CUREに劇中での使用を直談判した。THE CUREのメンバーからは、楽曲使用の条件として「本曲リリースの1985年に映画タイトルを合わせること」を提示されたため、当初予定していた『Summer of 84』から『Summer of 85』へとタイトルが変更された。映画を象徴する重要なシーンで流れるのは、1975年にロッド・スチュワートがリリースした「Sailing」。リズムと歌詞が作品のイメージに合致するとして、こちらもオゾンたっての希望により採用された。

  4. 80年代の空気を感じさせる、
    ノスタルジックな映像美と音楽

    まるで当時、撮影されたかのようにリアルに再現された、80年代の質感が印象的な本作。デジタル撮影が主流となっている昨今、全編フィルムでの撮影が敢行された。「あのざらざら感がたまらない。肌のアップなんか、すごく美しくて官能的だ。あの色合いは、曖昧さを許容しないデジタルでは決して出せない」と、オゾンこだわりの映像に仕上がっている。
    音楽は、人気エレクトロ・デュオ「エール」のジャン=ブノワ・ダンケルが担当。「80年代とその後の電子音楽を想起させるような、セクシーでロマンティックで哀愁のある音楽が欲しかった」というオゾンの希望により、その全てを兼ね備えたミュージシャンとして採用された。ブノワ・ダンケルはオゾンから渡された脚本だけを読み、映像は一切見ずにテーマ曲を作曲。オゾンは「彼が書き起こしたままのメロディは、何も加工せず編集に活かせた。それはすごいことだよ」とその完成度の高さを絶賛している。

  5. 海をのぞむフォトジェニックな街、
    ル・トレポールでのロケ

    アレックスとダヴィドがひと夏を過ごす舞台は、フランスのノルマンディーに位置する海沿いの街、ル・トレポール。原作の舞台であるイングランドのサウスエンド=オン=シーに似た雰囲気を持っていることから、映画のロケ地に選ばれた。過剰に再開発されていない石だらけの浜辺や崖、防波堤にずらりと並ぶ60年代に建てられた住宅など、フォトジェニックな街として作品に深みを与えている。

  6. オゾンが目指したのは、原作を重視した
    “世界共通のラブストーリー”

    原作者のチェンバーズは、本作を「10代に入って初めて感じるパッション、どうしても湧き上がる感情などを綴った、世代や時代を問わない愛の物語」と表現。メガホンを取ったオゾンはそれに対し忠実な映画化を心がけ、「少年2人の恋愛に皮肉を一切加えず、古典的な手法で撮ることで、世界共通のラブストーリーにした」として、製作において原作のエッセンスを重視したことを明かしている。原作を重んじるオゾンだからこそ生み出せた物語、誰にとっても大切な“体験”になる可能性を秘めた珠玉の一本が、ここに完成した。

監督・脚本:フランソワ・オゾン

キャスト: フェリックス・ルフェーヴル、バンジャマン・ヴォワザン、
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、メルヴィル・プポー

配給: フラッグ、クロックワークス

原題:Été 85/英題:Summer of 85/2020/フランス/101分/
カラー/ビスタ/DCP/5.1ch/字幕翻訳:原田りえPG12